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<この文章は商業的な意図をもって書かれたものではありません> 文芸工房 夢舟亭 エッセイ 2012年 5月20日 ケニー・G はお好き? わたしは滅多に「ながら聴き」しない。 飲み食いしながら、雑誌めくりながら・・、掃除しながらなどということなど考えられない。いや、「なかった」。 それがこうしてディスプレーに向かいキータッチしながら、ミュージックを流している。「するように」なった。 もちろんシンフォニーをがんがん、というわけではない。 聴き流すには、とうぜんそれなりに軽めのでなくちゃいけない。 そこでケニー・Gの演奏。 どんな曲、演奏かといえば、ご承知のかたもおおいだろうけれど・・。 NHK−地上TV日曜午後7時30分の、国内外の自然に生きる動物取材番組「ダーウィンが来た」、エンディングテーマ。あれがケニー・Gの演奏。 彼のソプラノ・サキソホーンの音色が、その時々の主役アニマルたちに幸いあれとでもいうように、か細くも甲高く切なく響く。 ケニー・Gの演奏は、静かであまりハイテンポではない。それが「ながら聴き」にはいい。添うドラムスもベースも控えめだ。ときにはヴォーカルもはいるがやはりそうなのだ。 それにしても、20畳もの自室で独りヴォリュームをかぎりなく絞りこんでは、澄みわたる春の碧さを窓に見あげながらの、ケニー・G。 むこうにぽっかりと浮かぶあの真っ白い雲から響いてくるようなソプラノサックスの、けして巧みさを露わに感じさせない音色がたまらなくいい。 上手い、ということの真実本質とはこうあるべきものなのだろう。 花を散りおとしてしまって繁りかさなる葉さくらが、陽光をうけて黄緑にゆれている。 |
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