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夢舟亭
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エッセイ  夢舟亭    2007年08月18日


     日本流礼儀


 夏くらいは世界にあわせて心体休息としてそっとしておくべきです相撲の看板スター、朝青龍。
 夏季骨休めの楽しみの時期にはせいぜいサッカーでもスイミングでもバスケットボールでもビーチバレーでもして、おおいに楽しんでほしい。

 ミンポーマスコミ蝿じゃあるまいし、市民がいちいち他人ごとプライバシーに群がるべきでではないと思うのだ。
 場所数も多すぎの声があるし、だいいち今どきの情報網と運輸網道路網の整備された時代に、ご苦労にも巡業お出向く必要があるのかどうか。
 足を運んでこそファンだろう。

 それでなくともニッポンの相撲は難しい。
 なにせ精神論が入る。

 けれど、しっかり精神が鍛えられているハズの親方衆が、なぜか20歳代の若者一人説き伏せられない。
 これが不思議ではないか。

 ニッポン人関取が清く謙虚に正道を極めようにも、勝負の世界では、まず勝てなくては話にならない。
 兜の緒をしめるにも、勝ってこそきまる。

 女性の土俵厳禁とか、カラフルまわしはいかん、とかなんとかかんとか。
 相撲はオリンピック種目にはなれないローカル儀式が多い。

 日本古来の歴史や伝統あれこれが絡み、ニホン人さえワカラん相撲を、異国に生まれ育った方々に、精神論まで解かってもらおうという押しつけは、難問奇問か愚問か。

 どうしても守というならば、いっそ外人お断りの看板を掲げてしまえばいいのにと思うが、外人姿も今では人気取りなのだから困る。

 むかし、空手チョップ力道山プロレスブームのころ。
 強い外人選手は、敵役として必要不可欠だった。
 でもしかし。どんなに外人選手が強くても、最後は必ず負けて欲しかった。
 島国根性っていってしまえばそれだけのこと。

 今、相撲ファンも、外人関取たちの役回りも、しょせんあれと同じなんじゃなかろうか。

 スポーツでいえばバレーの国際試合も、がんばれニッポンコールがうるさい。
 オリンピックも金メダルの国別奮奪合戦の域を出ていない。

 最近は野球も見苦しい。
 大リーグのニュースを見ると、日本人選手しか映らない。
 外人投手の顔も見えず、まるで一人野球だ。

 国内では、老人王長嶋をいつまでも担ぎ出す人気取り球界というのも切ない。

 その点、ボール打音だけが会場にこだまするテニスの試合となると、試合始めに内外選手を問わず素晴らしいプレーに拍手をの案内放送までされる。

 朝青龍も小錦も曙関も、純真な子どもたちには好かれている。
 異国出の名関取のどなたもが、土俵界を盛り上げてくれたわりには末路があまりに気の毒な気がするのは私だけか。

 これが日本流の礼儀なのだろうか。




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