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夢舟亭
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<この文章は商業的な意図をもって書かれたものではありません>

夢舟亭創作館  エッセイ   2014年 4月 21日


   老画?![カルテット][アンコール]



 老人映画、老画、なぁんて言っちゃっていいんでしょうか。
 でもまぁ実際そうに違いないんだから、しゃぁないかな、と。

「カルテット」は米映画「卒業」の、あのダスティン・ホフマンが監督の作品。
「アンコール」のほうは、主題歌を「タイタニック」を歌って大ヒットのセリーヌ・ディオン。

 というクレジット見出しが、出向いたレンタルショップの棚に見つけたDVDに、書かれたあったので観てしまったわけです。
 生真面目であまり肩肘はらない英国映画というムードにも弱いわけだが。

 まず「カルテット」は、トニー賞とかアカデミー賞女優、マギー・スミス婆さんが主演。観たら、ああこの人かぁ、です。
 その手その世界、芸能芸術老人たちの老人ホームが舞台となる。カルテットとはこの場合四重唱のこと。

 このちょっとお金持ちたちが住まうホームでは、例年音楽会を行っていて、各自が「昔とった杵柄」をご披露している。
 そのために、過去の名声人気その栄光の思い出を胸に、それぞれが歌に演奏にと今も練習を積んでいるのであります。

 とはいえ、そこはそれ、引退後の彼らのこと。競争厳しい現役プロのレベルからはちょっと遠いのは、いうまでもない。
 今も変わらないのは、それぞれのプライド。誇り高い彼らであれば、いうまでもない話。

 そうした中にこの主人公も入居してきたのであ〜る。
 過去の夫との確執やプライドと、どう折り合いをつけて音楽会のステージに立つか・・・

 そんなクラシックなお話なのであります。


 さて「アンコール」のほうもまた、テーマになっているのは「音楽」。
 アマチュアのコーラスグループ、老人会?!の、発表会の話。

 で、こちらもまた、まぁ老人話ともなればどこか空しく薄ら寂しい内容になりがちだが、そこをアカデミー賞俳優、男優がテレンス・スタンプ、女優はヴァネッサ・レッドグレイヴ。顔を見れば、ああ見たことある、と頷く洋画ファンは多かろうこと。
 が渋い名演、じつに決っている。
 でなきゃぁ老人映画なんて面白くなんてなりっこないですからね。

 このフツウの老夫婦、婆さんがコーラス会に参加して、日々練習している、音楽好き。
 爺さんのほうはといえば、歌だってぇ!? わしゃ関係ない、と他人ごと。

 まぁわたしなどカルチャー教室に行と、ほとんど女性陣が熱心なのでこの辺りは承知してます。
 以前は男性趣味といわれていた分野でも、どんどん女性が参加する。一旦真剣になりだすと女性に叶わないこともよくある話。謙虚で熱心ですからね。
 ですから、いいところを描いているなぁ、と感じて観ました。

 男性側はどうしても過去の職務経験とか組織での上下関係とかの、男社会を背負ったままだったりする。
 最初は控えめでも、知ったかぶりで折れなかったり、既成概念に固執したり変にカッコ付けたり・・・

 でもある時、自分はそんなことしてちゃ遺憾なぁ、と気づいたりする。
 そこからが真の面白さ楽しさなのでしょうね。

 引退した後の人生をいかにオモシロく、かつ意味深い時間にするかは、「退職したら***でもやってみるかな」から先で、ナメないで没頭し、知らなかったぁこういう世界だったか、と開眼してからだと感じてます。

 で、この爺さんも、歌の「アンコール」とどう関係するか? がストーリー。

 おススめではありますが、映画のストーリー詳細は今回も省きます。
 関心があればご覧くださいませ。


 老後というものが何歳からかはともかく、どうせ嫌でも、悩んで困って、自分ではどうしようもなくなりながら生きて行くことになる。
 その点では、高名だった人たちも、ごくフツウの人たちも、おなじ。

 老いは抗し難いものであり、頭も体も朽ちて行くのだけれど。
 それぞれに大切にすべき思い出や生き甲斐はあろうけれど。
 日々、心砕き、気をやむ不安ごとは、増一方なのだけれど・・・

 しかしまぁ、この有限残人生は「楽しみ上手」で「上手に楽しみを持てる」人が幸せなのかもなぁと、二作品で再認識した次第です。




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