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夢舟亭
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夢舟亭/浮想記(随想)
      
 
 映画「世界一安全な戦場」
                2017年 09月11日
 

 本題「アイ・イン・ザ・スカイ」で副題和名が「世界一安全な戦場」だ。
 
 イギリス制作のこの作品は、どちらの題名も内容が現われている。いや、両題で一組の説明となっている。
 
 空からの眼、であり、戦場ではない敵弾降らない場所からの戦闘だから。
 といえば、今どきなら、大概の人は察しがつこうというもの。
 
 そう、”今どきの戦争”なのだ。
 
 話は少々脱線するが、わがふる里フクシマの空には、時々不思議な飛行物体が飛来旋回する。それは、放射能観測の無人飛行機、らしい。
 
 まさに今どきの、飛行物体、ドローンなのだろうか。
 
 もっとも、ドローンと一口に言っても、その形体はけっこう種類があるらしい。
 
 単に外観は飛行機だが無人というものから、模型ヘリコプターや空飛ぶ円盤っぽいもの、そして4枚6枚の上向きプロペラ付きが昨今よく見かけるタイプ。
 
 さて、この作品のものだが、こちらはマジな空飛ぶ武器。強力な戦力として今やミサイルなど装備してはるか敵上空から、偵察映像を撮りながら攻撃発射もできる”優れモノ”なのだ。
 
 とくに近年アラブ地域での戦闘で、欧米の軍が使いだして以来使用が常態化しているらしい。
 
 これらは騒音も無く静かに、目的地数メートル建屋を目指してやってきては留まり、ズームアップの映像を操作元に送り、正確無比に撃破できるから、狙われたらもはや逃げようが無い。
 
 で、こうした武器としてのドローンを操るコントロール基地は、戦場からはるか彼方、地球の裏側にある英米の都市の外れの軍施設、つまり「世界一安全な戦場」なのだ。
 
 言い換えれば、朝出勤しては、操作卓に向って勤務時間を果たし、夕方勤務明け時、ネオン輝く都会の家族が待つマイホームに帰宅する。
 
 彼らは兵というよりサラリーマンの生活スタイル。
 そんな彼らの指先の操作スイッチの一押しに、地球の裏の敵兵らの生命つまりは殺傷与奪の権、が握られているということか。
 
 しかも、この映画の場合は英米軍が、それぞれのコントロール室同士を隣席に居るように検討会話しながら、地の果てから送られてくる画像に対して戦闘対処するのだ。
 もちろんこうしたものは今どきの現実らしいからヤバい。
 
 今どきは、とてもとても彼らを敵になどしたら、その辺でうっかり”立ちション”さえ出来ないだろう。
 
 そうした、きわめて電子技術、コンピュータ通信技術の粋であるAI手法をふんだんに取り入れた戦術のさ中で、きわめて”人間臭い一事”が両国の軍と政府に、判断を迫まることになるのだが・・・・。
 
 この作品を、たんなるアラブ域戦を扱ったエンターテインメント作品と観るか、人権擁護の作品と観るかは、あなたの受容センス、価値観次第というべきかも。
 
 少なくとも、カッコいいね、などとはいかない後味なのでした。
 
 
                <了>
 
          −*−  
 
 アイ・イン・ザ・スカイ世界一安全な戦場
 

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