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夢舟亭 浮想記 −随想− アジア映画5作品鑑賞の記 2016年 07月13日 1.神なるオオカミ(中国)、2.浮城(中国)、3.台北に降る雪(台湾)、 4.明日へ(韓国)、5.僕の船の国境線(イラン) わが国はアジアの島国。大陸のはずれの極東海上にあるニッポン列島。 で、その周辺には韓国があり、中国が、そして台湾がある。 またアジアと一口に言っても、インドもあればその西にはアラビアの諸国も。 ではそれらの国に住む方々の生活などとなると、もうほとんど分からない。 お隣の国の流行り歌さえ・・・聴いたことがない。 もっともわたしなどは自国のも知らないのだが。 そういうことでいえば、わが隣家隣人のことだってまず分からないのだが。 ではあるけれど話す機会には自国語で話せるし話せばわかるニッポン人。 ところが、欧米の文化、とくにアメリカ。同盟国というかの国のとくに白人の旦那人たちのことは、けっこう見聞きする機会が多くなっている。 いうなれば情報過多か偏りか。 すっかりアメリカンをモダンと憧れの対象としている感アリの、黄肌人。 そんな自戒の念も無きにしも非ずのなかで、それなりに取捨選択したとはいえアジア映画5作いずれもが、少なからず感動しまた考えを深めるに役立った。 では、と感想をちょい書きするなど失礼このうえない。 ましてネタバレなどは論外のこと。 であるので、観ての思いをちょっとだけ書きおく程度にします。 そこで今回は、1.神なるオオカミ(中国)、2.浮城(中国)、3.台北に降る雪(台湾)、4.明日へ(韓国)、そして5.僕の船の国境線(イラン)、の5作品をマイ・ミニシアターで観た。 まず日本の25倍も広い国土。そこに日本の10倍の人が居る、中国。 わたしなど目まいがしそうなデカい国の作品はモンゴルのと香港が、舞台。 1.神なるオオカミ(中国) 文化大革命のころ都会の学生は、国進歩近代化のためにとくに意識の改新に力を入れるべく、広大な国内の各地方に出向かされ地元の人たちと生活を共にした。 そうした動きのなかでこの映画の舞台となるモンゴル部にも学生たちが来たなかのエピソード。 わが国ではその当時でもすでにオオカミなどいなかったが、さすがに広い中国では地方には群れていたようだ。 獣とはいえ彼らなりの生き方があり、それを神のごとく扱い学んでもきた現地の人たち。 そこから生の多くを学ばされることになる近代的科学知識の学生たちは、近代化という意味を考えさせられるのでありました。 2.浮城(中国) こちらは、香港。 浮城、とは寝起き生活の場となる船の意味。 これを観ていて、一瞬だけどわが国の芥川賞作品「泥の河」(宮本輝)を思い浮べた。 映画にもなって賀川まりこのうらぶれた名演技とともに・・。 さて香港返還期のこの作品もまた、題名の浮城生活者の話。 女手一つで家族を背に生活してゆくことは生易しいことではない。 わたしもそんな手で育てられたのでその内情は承知している。 そこにきてまた、この話では夫の生前に授からず失った腹の子の代わりにと、幼児を買っていた。 しかしその後次々と子を得て、夫が逝ったから大変。 そこで遮二無二一心に子育てにと漁に出た母の姿。 どれもみなわが子・・と頑張るのではあるけれど。 3.台北に降る雪(台湾) わたしのアジア映画で最も感じるものが多かった作品「山の郵便配達」の監督の作品。 とはいえあの作品ほど静かな衝撃をもつ作品ではなかったが。 今、アジアのどこもが近代化の変化に流されていることが改めて認識させられた。 それを少々TVドラマ風な甘さも秘めたラヴストーリー仕立て。 チャン・ツィイーっぽい若い俳優がメディアに翻弄される人気者役ででる。 4.明日へ(韓国) 打って変わって社会派、労働組合がテーマ。 苦笑を漏らしてしまったけれど、いずこも同じ低賃労働社会かと。 お隣もまた、の非正規の店員たち。その生活をかけた必死さおばちゃんたち。 わが国と違いがあるとすれば、黙っていない、こと。ブラックに挑む 邪魔され壊されても、立ち上がる。 映画とはいえ、本当にあった話の映画化となれば、エライ! 5.僕の船の国境線(イラン) 想像通り、こちらは内戦外戦真っ只中で、そうした大人の戦いに翻弄され犠牲になる子どもたち。その犠牲の姿は銃弾そのものばかりではない、ということを知るに充分な作品でした。 タイトルには「ボーダレス」というひとこともある。 それは子どもたちの心にある国境など無いという姿、その理想からでしょうね。 最後まで衝撃的でした <了> −*− 以下参考まで 1.神なるオオカミ 2.浮城 3.台北に降る雪" 4.明日へ 5.僕の船の国境線 |
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