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夢舟亭
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夢舟亭/浮想記(随想)

 
 
 アメリカ映画「グローリー/明日への行進」
                    2016年 02月01日
 
 聞くところによりますと、今年のアメリカ、アカデミー賞の選考ではいささかクレームがあったとか。
 
 有色肌色系のかたがたの関係者が少ないことが問題なのだとか。
 
 有色、というとアメリカではニグロ、つまり黒人のかたがたをいうのは大方ご承知のはなし。
 
 移住大国のアメリカとなれば、元々住んでいた先住民インディアンはもちろん、南米などからの人たちも、そしてアジアから移り住んだ人も居るだろうけれど。
 
 何といっても人種差別という深刻さをいうなら、白人の旦那がたが示す黒い肌の方々への嫌悪の姿勢。この問題の深刻さは特別のようですね。
 
 先年、アフリカの生活の様子から始まるドラマ「ルーツ」が、アメリカ本国ばかりでなく、世界で大きな衝撃を与えました。
 
 今もBS−TBSで再々の放映をしていますが、何とも凄まじい人間狩りから人身売買。そして悪名高き奴隷制。
 
 その歴史を、何代にもわたる黒人家系を描き追うことで、アメリカのアフリカ人その悲劇的人為的な歴史を世界に知らしめました。
 
 そしてついに彼らは自由を得た・・・と終わったはずなのだけれど。
 
 どうもそういう「映画の様なハッピーエンド」にはなっていないアメリカのアフリカ系の人たちの社会的地位。
 
 ではあの後現代につづく彼らのおかれている実態は。
 
 その凄まじいばかりの叫びが、この映画ということになりましょうか。
 
 もちろん過去にも人種問題を扱った映画は幾つもありました。
 
 そういう意味では比較的近年、先の東京オリンピックの頃の人、キング牧師の姿勢生き様と、おなじく肌色差により差別を受けたひとたちへの、あまりにも無慈悲で非人道的なアメリカ白人社会が示すその状況を描き出す、ということになりましょうか。
 
 ということは、あの頃までアメリカで黒人のかたがたは選挙権を行使できなかったということになる。とくに南部では。
 
 それにしても、何でまたこれほどに嫌うのだろうか・・・というつぶやきが何度となくもれたのは、わたしだけではないのでしょうね。

               <了>

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