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夢舟亭
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夢舟亭/浮想記(随想)
 



  小説「影裏」を読む
            2017年 11月03日


 第157回芥川賞(平成29年/2017年上期)授賞作品「影裏」を読んだ。

 とはいえ、実は、この小説の作者名も題名も当日記を書き始めて、思い出せなかった。それほど印象が薄い。つい十日ほどのことなのに。

 はてさてこれはわたし自身の老化が著しいか、それに加えて近年のニッポンの小説が分からないとしてしまうべきか・・・。

 地方の営業所へ配属されてきたサラリーマンの若男の、友情の話だったと記憶。

 どうもLGBT(同性愛者)気のあることが、薄く臭わされるような釣り友人関係が。

 飲み仲間として同職場で親しくなった友は、他社セールスマンに転職して行き、”釣り友”関係は続く。
 葬祭営業としての友がらか一口勧誘入会など乞われ、入る。

  そうした親友が、あの3.11震災の津波に巻き込まれたらしいが、仕事中か否か・・・。

  その点が定かでないまま、その実家を訪れる主人公に、不明の友の父親はそっけない。

  芥川賞は新人作家の登竜門ともいわれ、文才の冴えのほどが評価されるとか。

  また過去、時代じだいの風俗や社会生活の隅々、そうした片鱗を切り取り露わに描いてきたこともあろうか。

  そして、これから日本語国民の脳細胞に多くの刺激を”与え続けてほしい”という願いも込められていようし、それが出来そうだと折り紙を付けられたということでもあるらしい。

  けれど、皆がみなその期待に応え続けているかどうかは、定かでないと思うが・・・。

 そういえば、本日ニッポンは「文化の日」とか。


                <了>

   

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