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夢舟亭
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夢舟亭 浮想記 −随想−


  
      「映像の世紀」とコンサート
                    2016年 12月08日


 この秋のオーチャードホールにおける加古驍フピアノと:岩村力の指揮による日本フィルハーモニー交響楽団のコンサート。その録画BS放映を観た。

 加古驍ニいえば、NHK制作番組「映像の世紀」シリーズのテーマ曲の作曲者。
 したがって自作自演ともなる。「映像の世紀」のために作曲されたこの人の曲の数々、そのコンサートなのだから。

 で、ステージバックの大スクリーンには、番組「映像の世紀」に使用されたものも含めた映像が映し出されながらの演奏。その合間の、進藤晶子のナレーションも相して楽しめた。

「映像の世紀」は1995年放映というから、もう10年も前に観たことになる。
 映像、を記録するカメラが世に生まれて100年。それを記念して世界中に保存されているこの100年間のフィルムを探し出し、テーマごとに編集したシリーズ番組だった。

 それら記録映像として映し出される人間の歴史を目にしては、随所で衝撃を受けたのを覚えている。まさに殺戮破壊競争、その手法戦争の歴史だということが大きい。

 映像の記録をはじめ陸海空の移動など、科学技術の進歩を見せつつ。しかしそれはそのまま、より多く広く速くの戦力武力につながる。
 その様子を次々に目の当たりに。究極は・・・核エネルギーの極強大化その熾烈な競争をキノコ雲が見せる。

 もちろんテレビ番組であるからにはそうした映像が価値だが、この番組のもうひとつの記憶はテーマ曲だった。
 それが当コンサートの中心の加古骰曲「パリは燃えているか」なのだ。

 わたしはこの深い曲想は、後にあったNHKスペシャル「世紀を越えて」の斬新なテーマ曲「アディエマス」のように、欧米の作品と思っていた。
 それが日本の作品だと知ったのは近年の「映像の世紀」再放送でだったのだ。

「映像の世紀」は「新映像の世紀」として昨年新たに追加制作され放映された。
 しかしわたしは残念ながら初作「映像の世紀」ほどの良さは感じなかった。
 昨年わが国の新アンポ法案浮上の中、悲惨な人間歴史を省いた制作に、NHKの思惑が見えたせいかもしれない。

 初期版「映像の世紀」の方は、今デジタル化されBSのハイヴィジョン番組としてシリーズ放送中。

 会長様交代で新規一新のNHKに、大いに期待しつつ鑑賞中「映像の世紀」を、当コンサートとともに楽しんでいるそのご報告でありました。

           <了>

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「映像の世紀」
「映像の世紀」テーマ曲「パリは燃えているか」
「「映像の世紀」デジタルリマスタリング


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