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夢舟亭
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夢舟亭/浮想記(随想)
 
 
 

  映画「ナチュラルウーマン」
                2018年 09月22日


 この映画を語るに格好の話題、「生産性がない」などの今ニッポンにもあるあれは、偶然か。いや、そうではあるまい。

 世界は今LGBTへの理解の扉を開いたばかり。
 だからアジア極東などへ至るにはまだしばらくの時が要るのかもしれない。

 そう、この映画は”LGBT”がテーマだ。
 性的少数者、という言葉もあるようだ。

 アメリカでのアカデミー賞/外国語映画賞受賞、スペインの作品だ。
 他にもベルリン国際映画銀熊賞やゴールデングローブ賞などを受賞。

 LGBTが人々に理解され受け入れられたのは、それほど昔ではないようだ。欧米などでも宗教的な嫌悪迫害は長くつづいたようだ。

 人は各々が皆多様である。
 この世、この世界にはいろいろな人が生きている。

 それらの人たちを繋ぎとめ歓びを幸福感を共有できるのは・・・愛だという。

 とはいえ、現実我が身わが身近となれば、そう簡単に受け入れがたい、ということはあろう。
 そして、そこにこそ関係各人の人柄が考え方が、言葉に行動にと表れてくる。これがこの作品だ。
 それらが交錯しつつ、ある中年男の死と、LGBT人の関係、それへの多くの視線を物語ってくれる。

 理解しがたいことは世に数多くあろうけれど、なにも嫌悪や憎悪を感じて、言葉にしてまでぶつけることはないと思うのは、わたしだけだろうか。

 終幕のヘンデルの歌曲が静かに沁みた。

                <了>

 −*−

 オンブラ・マイ・フ(Ombramaifu)
 (キャスリーン・バトル)



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