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夢舟亭
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夢舟亭/浮想記(随想)
 
 
 

  『オスマン帝国外伝』BS-日テレ放映
                    2019年 04月28日


 イスラム系の”大奥物語”なのだろうくらいに思って観ましたが・・。
 これがけっこう面白い。

 15世紀当時のオスマントルコ帝国、それに絡む欧州との平定合戦の話も少ないとはいえ出てきたりする。
 遠くオーストリアのウィーンまでも行軍する。

 時代は違えど最強トルコ軍、といえばかのモーツァルトもベートーヴェンも驚きのあの、トルコ(軍)行進の曲を生んだほど。オスマントルコといえば泣く子も黙る脅威だったようだ。

 とはいえ「愛と欲望のハレム」という副題が付くだけに、そこは利害欲望の渦巻く帝都宮城内の相克、人間関係がテーマ。
 凄まじいばかりの女人たちの離散迎合の駆け引き、跡目主権の争いの行動力は驚くばかり。

 あくまでも歴史に基づく創作”ドラマ”と断りもあり、当然歴史上にない人物もシーンも登場する。
 わざとらしい展開や、罪と罰への処理対応が曖昧だったり、あまりに上手く行き過ぎるスチエーションなども無くはない。

 とはいえこれが観ていて飽きないのです。

 なにせ映像が素晴らしい。
 コシチューム、その考証されている当時の服装のきらびやかさは観ていて目を見張る。

 好みが分かれるところの言語、文字訳か日本語化かですが。
 耳になじまない、イスラム語なのでしょうが私などは海外ドラマの字幕は気にならないので、かえって生々しい原語が、良い。

 歴史には逆らえないストーリー大要ですから、おおむねの結果は分かる。
 とはいえこのシリーズドラマ、欧州もふくめ数億人もの視聴者があったというだけに、面白さ納得。

 過去にネットで配信されていたというのだがホントなのか?
 今地上波でやってもかなりの視聴率を得られそうな気がする。

 それは、東ローマ帝国/ビザンチン帝国以後のトルコという歴史に興味があったわたしの思いでしかないか・・。

 または、大きい声では言えないけれど、国内制作ドラマのどれを観ても、なんなんだと”ぬるさ”を感じ興ざめしてしまうわたしだけの思いか。

 グローバルなる世に公開するドラマというなら、せめてこの位はニッポンの関係者にも頑張って欲しいものであります。
 少なくとも、忖度まらそんドラマなんぞで受信料支払う視聴者をナメて欲しくない、と。



              <了>


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