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夢舟亭
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夢舟亭/浮想記(随想)
 
    
 
  韓国作品「隻眼の虎」
             2017年 04月08日
 
 お隣は、韓国制作の日本人俳優も出演の作品。
 
 BS放映も多少は惹かれる作品があったりするが、やはりアメリカはハリウッドものが主流。
 となれば、とT店に出向くと、これまたおなじ産品が棚を占めるのに、いささかげんなり。SFが過半を占めるとなると、さすがに吐き気までも。
 
 ついでにいえば、邦画日本映画の出来もまた、あまりにも狭い政治や社会観に綺麗ごと衣を着せてしまう人間観に、白けることが多いのは・・わたしだけなのだろうか。
 
 映画作品を観ようとするとそんな思いがあるのは、せめて映画観だけでも広い世界観をもとうと、出来るだけ多くの国の作品を手にするから。
 
 
 で、今回は、韓国。
 少なくともわが国の一強過半数政党政治よりは民主的のお国のようなのだが。
 
 そんな隣国へ、足蹴に踏み込んでは赤に金星、帽章襟章の日本帝国軍が支配していた。
 あの時代というから1900年の始め頃か。
 
 そのおエライ様を、今や超の脇役日本人俳優大杉漣が現地韓国人らを無情にも顎で使っては皇軍とやらを虎退治。
 
 こちらでの笑顔は無く、しっかり締まった顔の勝手気ままな軍人に仕上がっている。
 
 とはいえ、題名にもある通り、あくまで主役は・・・虎、タイガーだ。
 
 これもまた自然生息の超の大虎。地元民は、山の神とも恐れ崇める。
 
 隻眼(せきがん)とは独眼ともいうらしいが、片目の大虎だ。
 
 子虎家族を殺傷されただけに、人間への敵愾心は凄まじいばかり。
 
 目にもとまらぬ駿足で林野に分け入る人間を襲う。
 
 とはいえどしょせんは、獣よとわが帝国軍人の意地をぶつけ爆殺を目論むのだが・・・。
 
 本筋の裏に見え隠れる当時の日韓関係など興味がうずいた作品でした。
 
 
          <了>  

 

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