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夢舟亭 浮想記 −随想− 映画「追憶の森」 2016年 10月21日 死にたい。そう思ったことはあるだろうか。 人の寿命というものも運命ということさえも信じてはいないわたしでも、無かった、とは言えない。 それは数十年一個の命を必死に守ってきた人の多くの答えだと思う。人生けして楽じゃない、と真顔で言えるところまで歩いてきた人なら。 たとえ一瞬、一時とはいえ、もういやだ、たくさんだよ、というあの思い。 とはいえその先の、死に向かう道程へ進む人はさすがに少ない。 いや待て、わが国昨年、24,000人。男が70%だ。一時期の30,000人台は下ったとはいえ・・・。 わが国各地に、その名所、なるものもあるが、なかでも世界的に有名になっているのが、青木ヶ原、という広大な森林。迷い込んだら戻れないほどに深いふかい。 海外からもネット検索などで知り、訪れる、いや、この死の地に踏み入る。そんな人が少なくないとか。この映画に描かれたアメリカ人男性のように。 さて望む死、までの道程ではいったいどれほどの追憶が脳裏に浮かぶのだろうか。 本当にほんとうに死にたいのか、死を免れたいということはないのか。だとしたら、それはどういう思いがそうさせるのだろうか。 とはいえ戻れないほど深い森にさ迷いこんで、もはや戻ろうにも戻れないと自覚したら・・・。 そういうことを観るこちら側に問う作品だった。 <了> -*- 映画:「追憶の森」 |
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