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夢舟亭/浮想記(随想)

 吉田類の酒場放浪記(BS-TBS放映)
                 2015年 08月 13日


 酒を、飲むは、”呑む”、だろうか。
 
 酒、アルコール飲料を楽しむ場、この場合は、酒場。
 居酒屋、というのがいいかもしれない。
 そのことに特化した番組、BS−TBSの「吉田類の酒場放浪記」。
 
 なんともヘンなおっさんがひとり、ただただ酒呑みの場を訪ねては楽しむのである。
 そのおっさんはどう見ても、イケメンなどではない。
 
 けれど、うふふふ、と笑う表情は、憎めない。
 いつも異なる町をめぐり歩いては、ふらりと店ののれんを分けて入る。
 
 まずは一杯を手に口に、うんうんと頷いてはカメラへ、つまり観ている?に、いい、いけますね、などと顔をほころばす。
 
 マジで呑んでいるのだ。
 けしてお芝居酒ではないのは、顔色が艶染まり舌の回転があやしくなるので分かる。
 
 またこのおっさんは酒に肴にとかなり詳しいことが分かる。そのテの知識が豊富ということだ。
 国内の地酒はもちろん、魚や野菜の名前はもちろん煮かた焼きかた炒めかたそして食し方、合うお酒までを、ひとり語る。
 
 酔うほどに食うほどに舌鼓を打ちつつ、何気なく店主やその店の常連と、いろいろ言い交わすのである。
 
 観はじめのころには、いったいこの番組はなんじゃいな、という感じだった。
 
 そんなわたしも、いつしか録っておいたこれを再生するとき、ビール缶などをテーブルに揃えたりするようになったのが、何とも可笑しい。
 
 昨今は、映る肴の品々を箸でつまみ講釈述べる画面のおっさんに、ふむふむ、そりゃぁ美味しいだろうさ、などと相槌をうちながら手酌コップを、画面に向けて掲げ乾杯したりする。
 
 そういえば、このおっさん、吉田類氏は昨年末だったか突然ニュースに映った。
 何でも、ベストドレッサーとかに選ばれたらしい・・・ホンマかいな。
 
 まぁ、物言いの感じから、物書きではあろうと思ってはいたのだが。
 酒場訪ね旅の本もあるとか。
 
 大人の番組だ。
 TBSも粋である。
 
 
〇吉田類の酒場放浪記(BS-TBS)



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