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夢舟亭 創文館(随想・エッセイ)
 


 映画『愛を読む人』を観て
          本『朗読者』を読む
                      2019年08月28日

 観てから読むか。
 読んでから観るか。

 いずれにせよ、読書と映画を2倍にして楽しむのは、わたしの嬉しい時間の過ごし方だ。

 そこでここでは、この作品。
 本、『朗読者』。1995年のドイツの名著(ベルンハルト・シュリンク作)。アメリカはもちろん世界に翻訳された。
 そして2008年に映画となって、日本題は、『愛を読む人』。

 愛、となるとまずは、男女。
 で、この場合は、15歳の少年と、母親にも近い21歳年上の女性。
 少年の語りで、出会いから中年になるまでの、1960年代の回顧録形式となっている。
 
 というなら、似た話はほかにもあったぜ、という声が出そうだが。

 この背景には戦中ナチ党員が収容所でのある出来事に関わったという問題がある。だからアマくない。
 そして”文盲”というテーマも、ある。だのに「朗読者」、いやだから、「朗読者」。

 最大のテーマというなら、戦時中の個々人の行為をいかに裁くべきか、という問題だろうか。

 その”裁き”、は他人が、そして誰よりも自分自身が、ということになると、深い。

 また、愛、というテーマも。
 歳なんて関係ない、とはいうものの、これまた年月の先でいかに互いが感じ思い考え、処すべきかか・・・。

 ネタバレが過ぎるのは面白くなくなってしまうわけだが、わたしの場合は、読んでから観た。
 けして長編という文量ではないが最後まで興味をそそる。

 なにせ映画化を知ったうえでの読書だけに、いかなる映像になったかの想像が楽しいわけだ。

 で、その配役だが、年上の女性役はケイト・ウィンスレット。
 映画「タイタニック」のあの主演女優。
 彼女もそんなお歳になったか・・・。

 また少年が青年中年の役は、レイフ・ファインズ。
「シンドラーのリスト」で神経質なドイツ軍将校役でアカデミー助演男優賞、「イングリッシュ・ペイシェント」にも出ていたっけ。
 
 けして派手な作品ではなく、おおむね小説の流れに従った映画化だけれど、なかなかオトナな作品なのでありました。





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