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夢舟亭
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夢舟亭 創文館(随想・エッセイ)
 


   コード・マジック
              2021年07月20日

 コード、線とか紐かな。
 でも紐の奇術という話ではないですよ。

 ここでいうコードとは、音響機器つまりオーディオ器機どうしを接続する電線(コード)の話。

 となるとその筋の知識のある人でないと分からないか。
 そんな専門的な話にはなりません。
 だって音響機器つまりオーディオを楽しむといっても、早い話がそれらは音楽を流し聴き楽しむ道具なのだから。

 なにせ今世界はコロナウィルス蔓延中。
 
 考えてみれば、世界中が、というのが凄いですよね。
 この島国だけの話ではないのだから。
 この地球という星のどこに行ってもコロナウィルスがある。

 そして、この先当分はこのウィルスが人類を脅かし続けそうということが、凄い。
 そんな100年に一度の人類の経験を今目の前にしているのが、また凄い。

 わたしなど、これで”冥土の土産”がまたひとつ増えたわい、と思っています。

 そんな呑気な他人事を、と思うかもしれないけれど。
 まぁ歳が歳ですから。

 でも、こと音楽の話となれば、ちょっと別。
 やはりこういうときだからこそ、出控えの今、音楽がほしい。

 そんなわけで、自分的にはそれなりの”投資?!”をして入手設置している、音響機器に”火”が入っている昨今なのであります。

 火が入る、とは電源ON。ほとんど毎日毎夜の自宅コンサート。
 一応はそれなりのライブラリーにCDの蓄えもあるわけで。

 それらを次々に。とっかえひっかえ、やっておりました・・・が。

 いわゆる音キチ。オーディオマニアという杵柄もあったわけで。
 どうも出てくる音、聞こえる音が気になりだした。

 気になる、ということはすなわち、気に入らない。
 ま、そういうことの繰り返しで投資にはずみがつくのが、音キチ。
 でもこの歳でそんな、とは思いとどまるのだが。

 そこで、押入れの道具箱を引っ張り出した。
 何か変化を期待できるものはないかな、と。

 あった。
 器機間をつなぐ電線、コードが。
 
 まさか電線などの違いで音が良くなったりするもんですか。
 そんなフウにわたしも思っては・・・おりましたとも。まさかぁ〜、と。

 でもシャレで交換してみて。
 びっくり。

 はい。
 良くなった。

 高音域が繊細緻密に聞こえる。
 と同時に、低音もまた深く明確に。

 絶対にそれは気のせいです、というかたもおられましょう。

 でもそういうふうにわたしの耳には聞こえるのですから。

 オーケストラの配置、左端から第一第二バイオリン群が中央にむかってならび。
 右端からは複数のビオラやチャロが。そして奥には金管木管の管楽器が、その奥には打楽器らが。
 たしかに並んでいる。

 レスピーギのローマの噴水、祭、そして松の三部作など荘厳華麗に。
 ホルスの惑星のそれぞれの星々の様子も。
 チャイコフスキーの1812年の死闘の大砲音も。
 ムソルグスキーの展覧会の絵も。
 リムスキーコルサコフのシエラザードの千夜一夜の妙なる物語も。

 音のパノラマが手にとるように広がる。
 いやはやどれも見事にスペクタクルに轟き、聴かせてくれますのですわいナ。

 この段において、完全にわたしはコード(電線)マジックに酔ってしまった、とまぁそういうお話でした。

 
 コロナころなと一喜一憂していないで、良い時間を過ごしたいですね。
 人生は有限で短いのだから。




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