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夢舟亭 創文館(随想・エッセイ)
 




  『はねこ駒(はねこうま)』を観る
                  2020年07月09日


『はねこ駒(はねこうま)』といえば、1986年の約一年間NHK放映のいわゆる朝ドラ。

と、分ったふうにいうも、じつは当時は職務現役のわたしなどには縁のない時間帯の番組。
あれから30数年後の今、BSで再放送中。で、はじめてお目々にもお耳にもかかったという次第。

30年も前といえばわたしなど”働き盛り”の頃。テレビなど観る間もない。そんな頃もあったわけだが。

当番組の再放映がいつ開始したのかは定かでないのだが、当時をふと思い出したことがある。
それはたしか当県の地名が聞かれた気がしたから。

地名”二本松”がテーマ、ご当地だった気がしたのだった。

そこで何気なく観てみれば・・・。
すでにその地を離れて、おなじ県内の”相馬”が舞台。

検索資料には、寺内小春(二本松市生まれ)作のこの話の女主人公は、二本松生まれの相馬育ち。隣県宮城の仙台女学校で学び、上京後女性として家庭を維持しつつも新聞記者になったとのことのよう。

わたしが観たのは、相馬と仙台の生活のあたりから。

放映当時朝ドラにどれほどの経費を充てられたかはしらないけれど、ほとんどがスタジオセットらしい内容。だが出演の皆が一生懸命の真剣が伝わってくる。

わたしは先に述べたように朝ドラというものはほとんど目にしていない。
ただひとつ目にしたのが再々の思い出番組などでの、”おしん”のあのシーン。あれも東北の昔、だったか。

そんなだから、はねこ駒各シーンで方言指導の元で、がんばって覚えたろう出演者たちの東北弁がじつに楽しく響く。

なかでも、当時の”樹木希林”母ちゃんが、なんともじつに見事な方言なのです。

ある著名な俳優が、「地方のその姿でその辺に座って地元の人と会話したなら、自然に話して(俳優だと)気づかれないなら最高だが」といっていたが。

希林母ちゃんは最高!
ひょっとしたら以前こちらさ住んでたことがあったんでねぇべがぁ。
というその頃の地元の声も聞こえそうなのです。

じつはわたしも、ストーリーよりこの人のこうした地元言葉だけでなく、それを発する自然な動作振る舞いが、なんとも嬉しいのでつい目が耳が離せなくなったのであります。

そうして見れば、彼女の昨今の末期の映画出演までの「あん」「万引き家族」「日々是好日」などで名演の活躍も、理解できる本物感が当時にすでにうかがえます。

この家族は、明治期の元二本松藩士の祖父母、父とその母をもつ三兄妹。
制作の当時有名な人たちが脇役をつとめているのも良いですね。

さてこの先、花の都において東北弁を恥ともせずに彼ら彼女たちは、いかなる『はねこ駒』、元気にはねる野馬追い相馬の、駿馬のごとき展開を見せるやら・・・。




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