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夢舟亭
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夢舟亭 創文館(随想・エッセイ)
 


    イギリス映画『家族を想うとき』を観る
                  2020年09月05日

 誰しも幸せな生活を望むだろう。
 幸せのイメージは人それぞれだけれど。

 ごく普通な人並な、家族四人が懸命に生きている、つもりでも。
 望むようにならない。

 そういうこと、そういう時期が、自分のこれまでの人生にもあったと振り返るひとはあろう。
 とくに親の立場では、家族を背にしてがむしゃらに、という時期も。

 けれど、そうした時期には、その必死さゆえに、育ち盛りの未完成な子供の揺れる心を精神を、励まし激励する声が逆撫でする結果になったりもする。
 誰しもわが子には期待するものだから。

 昨今は、どこの国でも低収入ゆえの夫婦共稼ぎが増えているのか。
 この主人公家族も、夫の転職続きで配送業へ、全財産を投入するような運搬車購入で始める。
 妻の介護員職収入の微々たるは、これまた世界共通のようだ。

 これでアパート生活で男女二人の育ち盛りを育てるのだから、楽でないのは家計ばかりでなく、時間の余裕もゼロに近いわけだ。

 当作品のケン・ローチ監督は、以前に『わたしは、ダニエル・ブレイク』という、これもまた職に関する社会的視線の作品を生み世界に表した。

「何も好んで自国の貧する部分を公にしなくても」などと、どこかの国の声のようなものがあがらないかったかなと、エンドロールにつぶやいたものです。

 とはいえわたしはこうした映画作品が目につくと視ないでいられないようなのです。
 いやそういう作品が好みなので執拗に見つけ出すというべきかもしれない。




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