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夢舟亭
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夢舟亭 創文館(随想・エッセイ)
 


   降雪の朝
           2020年12月20日


  犬はよろこび庭かけまわる♪

 というのだったろか、小学唱歌があった。

 そんな犬の気持ちがわからぬでないわたし。
 雪の朝、冷気を吸っては吐く。
 その息が白い。

 そんなせいでもないはずだがこのところ散歩コースが伸びて時間もかかる。
 被写体というか風景に、冬の風情を感じるからだろうか。

 白い色は百?隠す。

 そんなふうな故事なども思い出すように、白雪というものが枯れきった林道の多くを見直させ、目をひく。

 先日ある鉄道写真家なるひとが”カメラ・アイ”といってたが、わたしなどもカメラなしの散歩などとても考えられない。
 おそらくそれなしでは、散歩さえしないだろう。

 それほどに、出歩くなかでの”カメラ目線”、つまりカメラアイという周囲への注意力、撮るに足るものを見出そう、関心を惹く対象はとさがすのだから不思議。

 そうした状況で見い出せば、それをいかなる角度から、と寄ったり離れたり右に左にと構図を模索。

 針緑の木立にのこった雪がちょっとX’masツリーふう。

 葉の落ちた細枝の淡い小雪のしずくたちが、きらきらと朝日に輝いて自然のイルミネーション。

 どこの誰が植えたものか、なにで運ばれて根付いたものか、寒椿なども人知れずに。
 
 そんなだから時間が伸びにのびてしまう。




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