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夢舟亭
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夢舟亭 メインページ 《減考揺思》
              過去掲載記録 2025年 1月〜




減考揺思#110 (2025/02/20)

 携帯電話を忘れた。
 外出先でふとカバンを探る、と無い。

 緊急で必要というわけではない。
 が、なんとも落ち着かない。

 買い求めたのは普及後かなり経ってから。
 もともと電話嫌いもあって。
 どこに居ても呼び出され話しかけられるのは鬱陶しく遠慮したく。
 それへ大枚はたく気になれなかった。

 人は便利というが、自分的には無くて間に合うものは不要、と。

 ところがあるとき、外出先で家人と緊急連絡の事態。やはり持ってほしいと願われた。
 やもうえず店へ。その後折りたたみ式で会話もメールも可能が、時節がら夫婦同時に指先突付き系に、何度目かの買い替え。

 出かけの空き時間や待合い時、周囲のほとんどが小画面を突付いている。
 人前での通話や子画面睨みはどうにも気が進まず馴染めず。好きな音楽はICレコーダに入れ、イヤホンで愛聴している。

 家人はと見れば慣れたもので、不要宣伝画面をかい潜り避けつつ話題を散策している。
 ともに契約した内容では充分予算内だと。

 エレキ新技術は嫌いではなかったが何時しか気後れぎみ。
 クルマのナビも、初回訪問箇所が少ない生活もあり不備のまま。

 それが先日、亡友人宅訪問へケータイ・ナビ音声誘導に助けられ、その丁寧さには驚き。



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減考揺思#109 (2025/02/10)

 持てば持つほど欲しくなる。
 持たないと不安になり、持つ者を羨む。
 その感情を刺激するこそ消費を煽る秘策。
 
 GDPの過半数を占める国内消費。
 だからこの秘策は国家繁栄の鍵か。
 消費を促すCMの多さその工夫合戦もまた。

 GDP世界一位がアメリカ。二位中国。三位がドイツ。
 そして1968年から2010年まで二位だった日本は2024年現在、四位。

 スポーツに限らずチャンピオンはいずれは敗れ去るものではあるが。
 相変わらずトップの座を守っているアメリカは旺盛な購買消費力がある。
 新大統領の日々の一言に、世界の生産輸出国が一喜一憂するのも分かろうこと。

 消費、つまりはモノをおカネで買う。
 対するのが買わずに貯める、貯金。

 買わない工夫には、質素、倹約、ムダを無くし間に合わせ節約する。
 これらわが国自慢の名言は今や死語。いやいや禁句かもしれない。

 国民総出の経済戦争において、国民一人ひとりはモノを買うことでGDPを高める兵士。
 となれば買わない買えない者など非協力非国民かも。
 ましてやムダ遣いをせずに倹約節約などもってのほか、か。
 消費税という税金さえ払わないなどなれば。

 GDPなど数値論、人が決めた理論。ならいっそ貯金額も加算したらどうだろか。



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減考揺思#108 (2025/01/30)

 この季節の被写体というなら白鳥。
 山野の白い雪風景もいいが、陽に輝く優雅な飛翔の純白翼は別格。
 また彼らの人懐こさは、すずめやからすの比ではない。
 パンの耳など与えると、大きな身体で迫ってきては競って奪い合う。

 生きとし生けるもの皆、己の口胃袋は大切。
 食の欲、口もぐもぐの姿は、純白の大鳥にしてもけして優雅とはいえない。

 もっとも我欲というなら、こちら人間だって醜さでは引けを取らない。
 獣や鳥などは欲むき出しで内外同じ。だが知恵をひねって言葉にする分こちらは見苦しい。
 公職に就こうという人物などはそれなりの教育もあろうから始末が悪い。
 ばればれの言い訳など、本人としては言葉通りに受け取られている気らしい。

 昨今はネット社会。
 画像も載せられるとはいえ、やはり文字言葉が中心。
 短文とはいえ一層言葉に軽さが増し、また顔が見えないぶん危険度もハンパでない。
 電話での詐欺言葉から、今では闇のなにがしという物騒なネット誘い言葉へ。

 人間我欲追求あの手この手自分ファースト。
 小さくは個々人。大きくは自国第一主義。
 自国優先と欲をさらけ出した言動や姿は見栄え悪く、人品高からぬハッタリ混じり。
 さらに戦火も恐れぬとかなんとかなど論外。

 とはいえ所詮は人間小市民も命を永らえるために幾ばくかの欲は満たさねばならず。
 であればプチな嘘偽りも生きる方便として。



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減考揺思#107 (2025/01/20)

 人類の長い歴史。
 その突端の今の世ならさぞかし平和で安全。

 と思いきや、とんでもなく。
 万年の昔し最古時代と大して変わらず。

 弓槍兵行列壁画など参照するまでもなく。
 未だに種族仲間互いに命の奪い合い。

 思うにこれは、生きとし生けるものの永劫変わらぬ習性本能。
 よって人類に後年備わった新脳知能ごときでは自制できず。

 現代今世紀なのになどと言っても詮無い話。
 ヒト科の生物人間の本性は、一皮むけばまだまだ欲望むき出し、制御叶わず。

 富はもちろん、メンツとか地位支配権威、そして生殖や性などなど、その欲望は果てなく。
 知恵と言語で「虚実」捻るから始末が悪い。

 道具を使うサルは技術的仕掛け設備を用い。
 われら小市民を扇動制御する騙し手口。
 目でも耳でも敵味方の区別つかず。

 もちょっと我慢すればイイこと待ってるヨ。
 何気なくも面白っぽく優しくも誘導。
 いい子いいこ。皆んなハッピー。あっち向いてホイ。これこそ正義。信じてとかなんとか。

 気づけば、すっかりっどっぷり正直者はまとめて腐敗政財官学報らワルの餌食、思うツボ。

 身ぐるみ剥がされ、衣食住まで崖っぷち。
 最悪は命までもの、げに恐ろしき末法世界。

 どちら様もゆめゆめ油断めされませぬよう。


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減考揺思#106 (2025/01/10)

 地震被害地の報道が年初頭から増えた。
 だがあれは昨年元旦の災害だった。

 報道陣皆正月休暇で当時ほとんど報道無し。
 その後1年間扱いは低かった気がする。

 防災庁設立を掲げた現政権のせいか過去1年ブランクが嘘のような今報道。

「報道は第二の政府」と聞いたことがある。
 実際、新聞と放送の影響力は大きく広い。

 災害時の「政府の動きが遅い」「生活できない」と叫び泣き崩れる様子は極少。
「仕方ない」「がんばるしかない」が常。

 判で押したようなこれにより、列島国民の不安感は抑えられる。

 民心といえば過去30年賃金上がらずの件。
 前政権の「賃金上昇の気運が高まった」の口癖、なんとなくの思わせぶりも。

 これが報道陣の口癖となると、そう思わせてしまうから不思議。
 目と耳が報道に左右されてしまう。

 一人ひとりが目耳情報は「話半分」とし、事実現実重視の疑う癖を持っていたい。

 報道も企業シゴト。企業は儲け商売。
 正確公平でも政権に睨まれてはやり難し。
 くわえて昨今新聞購読数減少。
 テレビ視聴者もネットに奪われ。

 ネットは自由検索閲覧というが。
 大かたが興味限定か一方的プッシュ羅列。
 こうした情報で世情を知る未来は……。



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減考揺思#105 (2025/01/01)

 机にパソコンが載って何年経ったか。
 ネット時代となっては幾年か。

 今では昔。電卓業界界で多機種多機能競争。
 その効率向上策。計算専用回路は汎用固定、多機能化を個別にのアイデアを日本メーカが。

 で、その集積回路(IC)を米国の中小メーカーに製造委託し、電卓生産は上首尾。
 IC製造メーカー側が、この構成機能は極小だがコンピュータでは、と気付く。

「多種機能化を設定」することは、「計算専用」頭脳にプログラム(命令)を与えること。
 このインテル社がPCのCPUで一大飛躍。

 趣味のオタク若者学生らがこれに着目。
 このICを頭脳として、マイクロなマイコンピュータが作れるとマイコンブームは世界に飛び火。
 おれのわたしのコンピュータはプログラム次第で何でもできるゾと情報交換共有。
 この若者らこそマイクロソフト、アップル、ソフトバンクなどの創始者たち。

 瞬く間に世界の大型コンピュータの雄IBMの牙城をもひっくり返す小型高性能PC続出。
 小さくとも、小さいからこそ、のコンピュータが各種産業で計算から制御と湯水のように。

 パソコンは更に小型化。世界の隅々で老若男女がつながり、読んだり書いたりのネット化。
 持ち運べる携帯の電話から映像時代へ。
 さらには空駆けるミサイルの制御まで。

 みんな仲良し善人ワールドなら誠に結構。
 だがしかし、知能利器ゆえ悪器にも。
 文明の落とし子は、諸刃の刃、か。


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