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夢舟亭 創文館(随想・エッセイ)
 


 韓国TVドラマ『グッド・ドクター』を観る
                 2023/07/09

 マイ・エッセイページに『グッド・ドクター』を観る≠ナ、米国TVドラマ化の同名作品(2017年米放映)を2022年に綴った。
 日本放映題が『グッド・ドクター 名医の条件』。

 で、今回はその原作である韓国TVドラマ作品『グッド・ドクター』≠フほう。
 2013年韓国放映とある。つまりはこちらが先作ドラマ。

 日本までもがリメークという。現在私は観てない。

 さすが原作がもつ力の強さはホンモノ。
 その原作の力とは「並外れた記憶力の主で、自閉症を患う名医師」という点だろう。

 誰もが、もし大病ベッドで目の前に当医師に立たれたら、はたしてOKを出せるか、という不安も多いが、期待もまた大きいハズ。

 そうした疑問は、ドラマを観る者はもちろん、主人公の履歴を前にした医師仲間もまた当然深い。
 それをいかなる脚色や演出で剥いでゆくか。
 このドラマの意味も興味深さ、面白さも、そこにあろうこと。

 現代の大病院がもつ世界共通の経営*ハの企業売買騒動、さらに院内派閥の駆け引きも絡む。
 また医師個人の心情慕情、そして家族関係も過去現在と。
 何よりも患者たちの思いを、時を行き来しながら描かれる。

 その描き方、脚本家の視線角度や深さ高さに、興味は尽きない。
 現実離れの嘘臭い笑い受けスーパー名医などは無い。
 人間医療従事者なれば、失敗もミスも後悔もある。

 先に観た米国版は知って観たのが、途中回の放映からだった。
 今回の韓国版は初回から、逃すことなく観られた。

 そこで初めて、主人公青年医師が被る仲間医師からの、差別的視線や言動から始まるのを知った。
 つまり米国版鑑賞は、それら苦労をある程度乗り越えていた辺りからであったと、今回分かったのだ。
 ではと、レンタル米国版を、初回から併せて観直した次第。
 
 韓米どちらも、おそらくは日本版も、主人公の初日登院途中に遭遇する事故、そこで子供の大怪我現場で腕を振るい、衆目を集めるシーン。
 初日会議の自己紹介に間に合わない原因がそれ。

 とはいえ即日即刻、現場風景が支持賛同多くの声とともにネットで拡散。
 それが会議の自己紹介に代わり、まずは一難回避の拍手。

 だからと簡単に自閉症を患う医師≠受け入れるとはならぬ、導入部は韓米作とも同じ。

 こうした己の欠点と向き合い、医療問題を持ち前の記憶力データーベースをフル稼働し、解決しては患者や医師仲間の信頼を得てゆく。
 人間関係を築きつつ、医療の現場と関係者との折り合い方を学んで行く。
 さらに自身の過去、生い立ちにも心の整理が要る。

 などなど描かれる課題が多岐にわたって、新たな患者病状が現れ、同時進行が面白い。

 となればあとはキャスティング。
 つまり俳優選択、そのハマり度合いもドラマには大切。
 主、脇、老、若と実力者を配している様に感じる。

 米では、さすが医療ものに制作慣れしてか、韓国の原作に媚びず独自で曖昧妥協の少ない感じ。
 人間関係では多人種を配し、加えて性描写なども「アメリカ」ならではと感じる。

 で韓国。当然アジア的であるが、古風さはない。が、清純な人間関係ではある。
 医療環境や専門語も現代的で、街風景や服装もモダン。
 ただしお国柄か、職務上の上意下達がけっこう強く、返す言葉は弱め控えめ。

 などなどと、当分は両作とも目が離せないようであります。

    <了>

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参考まで(マイ・エッセイ)

『グッド・ドクター』を観る(2022年12月10日)







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