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  減考揺思 #139 (2025/12/10)

 滴り落ちた雫を吸って生きる民。
 蝶やキリギリスのように。
 有り難くも押し抱く賞与のこの寒季。
 何十年も増えてないという手取り。

 振り返れば栄華は戦後30年ほどだったか。
 あの頃は明日が輝いて見えた。
 来る年翌年に希望を抱けた。

 そんな「むかし」は、今では帰らぬ日々。
 高度成長期という懐かしき日々は遠い。

 意気揚々を滅多打ちで惨敗荒廃した帝国焼け跡から。
 何も無いなかから必死で立ち上がるは、働けはたらけの沸騰熱気。
 24時間働けますともと笑顔の額に汗。

 大戦勝者欧米西側に組み込まれて自由謳歌。
 敗者への手心か何でもかんでも、すべて模倣を許され。
 うまくで出来れば、「やるねぇ」「お上手ね」。

 あっという間に先進国をキャッチアップ。
 気づけば追い越し、バッシング。
 そして世界第二位。「エッヘン!」。

 片や追いすがるは手伝い見習いの周辺国。
 やるね、と見る間に並走から頭一つ先。
 何をおっしゃるウサギさん。

 見る間にはるか先。もはや追い越せぬ大国。
 思えば、自分ができることは他人も出来る。 
 今では世界の第5位も、どうだかあやしい。

 牽引頑張り世代はすでに逝くか高齢後期。
 ミュージカル・キャッツの落ちぶれ猫や。
 シャンソン・毛皮のサリーを思い出す。
   
記録: 25/07~  25/01~  24/07~  24/01~ 
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